元エンジニアPMのプロダクトマネージャーお役立ち情報

スタートアップから大規模プロダクトまで担当している元エンジニアの筆者が、事業開発・プロダクトマネジメントに役立つ情報を発信します

プロダクト開発で必要な「定量調査」と「定性調査」の違い

プロダクトマネージャーとして、プロダクト開発を始める際には、ユーザーのニーズを把握するために定量調査と定性調査が必要不可欠です。この記事では、定量調査と定性調査の違いや使い方、そして目的について詳しく説明します。

プロダクト開発における定量調査と定性調査の目的

プロダクト開発の現場におけるプロダクトマネージャーの意義は、「この機能を開発しリリースすることでユーザーが本当に使ってくれるのか?」の仮説をどれだけ精度を高められるかにかかっています。エンジニアやデザイナー、UXリサーチャー、アナリストなど様々なメンバーと会話しプロダクトの方向性を考え何をリリースするかを決めるためにも仮説の精度は重要です。
定量調査と定性調査には、仮説を検証することと仮説を探索するそれぞれ2つの目的があります。
プロダクトマネージャーとして仮説の確からしさを高めていくために、目的にあった調査を行いましょう!

定量調査

定量調査は、SQLやエクセルを使ったデータ分析によって行われる調査です。この方法は、大量のデータを収集し数値化して分析することができます。例えば、サイトのアクセス数や購入履歴などのユーザーの行動データを収集し、分析することができます。目的は、数値化されたデータをもとに、ユーザーの嗜好やニーズを分析することで、より的確なマーケティング戦略やプロダクト改善策を考えることです。
定量調査の手法としては自社のデータベースだけではなく、インターネットリサーチ(アンケート)、会場調査(実際に来訪してもらって検証する)などもあります。定量調査のメリットとしては数字として根拠が出るため、説得力が増します。
例えばあなたがECサイトのプロダクトマネージャーだとして、クーポンを初回に利用したユーザーがどれくらい継続的に購入したかを調べたとします。クーポンの初回利用の有無で継続回数に2倍の開きがあるとしたらクーポンを初回にどう利用するか?を追求すれば継続的に購入してくれそうですよね。 ユーザーから直接クーポンを使ったか?そのあと継続的に購入したかをヒアリングするよりもデータ量という観点で確からしさがあります。

定性調査

定性調査は、ユーザーインタビューを交えた調査です。この方法は、個々のユーザーの声や意見を聞き取り、分析することができます。例えば、ユーザーの使い勝手やプロダクトの改善点を聞き取り、改善策を考えることができます。目的は、ユーザーの声や意見を聞き取り、プロダクト改善やマーケティング戦略の改善につなげることです。 1:1でやるインタビューもありますし、複数人に聞くデプスインタビューもあります。 定量調査のメリットとしてはユーザーが行動する際には必ずその人を動かす背景となる心理状況や理由がありますが、そういった数値化できない想いや価値観、行動背景を捉えることが出来ます。対象者の深層心理に迫ることで、消費者の行動の関連性を理解することができます。ユーザーは自分が欲しい機能や困っている課題が分からないため、どんな背景があって困っているのか、普段どんな行動をしているのか、深ぼることで企画のインサイトに繋がります。

使い分け方

定量調査と定性調査は、それぞれの特徴を生かした使い方が必要です。まず、定量調査では大量のデータを数値化して分析するため、一定以上のユーザー数が必要です。一方で、定性調査では、ユーザーの声や意見を直接聞き取るため、少数のユーザーでも有効な結果を得ることができます。また、定量調査は、ユーザーの嗜好やニーズを分析するために有効ですが、定性調査は、ユーザーがどのようにプロダクトを使っているかを知るために有効です。 定量調査と定性調査はメリット・デメリットがあるためどちらか片方だけやるというより定量調査と定性調査をバランスよくやることがおすすめです。数字に強いプロダクトマネージャーは定量から仮説を洗い出して、定性で確かめることや、定性調査に強いプロダクトマネージャーは逆のアプローチを取ることもあります。