元エンジニアPMのプロダクトマネージャーお役立ち情報

スタートアップから大規模プロダクトまで担当している元エンジニアの筆者が、事業開発・プロダクトマネジメントに役立つ情報を発信します

ABC分析を活用して企画と施策の優先度を決めよう

プロダクトマネージャーは様々な関係部署から施策へのリクエストを受けることがあります。
ビジネス開発チームであれば、売上に直結するための施策や追加機能を求めてきますし、開発チームからは保守・メンテナンスの為にリファクタリングの時間がほしいなど言われたことがある方も多いのではないでしょうか?
期初に作成したロードマップや、日々のバックログはリクエストに対して流動的に変化していきますが、Aの施策とBの施策どちらを優先すべきか判断に迷うこともあるのではないでしょうか?
今日はABC分析(パレート分析)を活用して、企画や施策の優先度を考えていきたいと思います。

プロダクトマネージャーの施策優先度の考え方

何を作るか(そして次に何を作るか)判断するのがプロダクトマネージャーの主な仕事です。
新しい機能だけではなくバグ修正や、カスタマーサポートからのフィードバックに対応することもあると思います。
開発リソースは有限のため、判断軸を持って次に何を取り組むかきめていく必要があります。

施策優先度のフレームワーク

施策優先度を考えるフレームワークはいくつか存在します。
代表的な例だと狩野モデルや加重スコアリングあたりが挙げられます。 狩野モデルであれば、どの機能が最も顧客を喜ばせる可能性が高いかに基づいて、作業の優先順位を決めます。プロダクトチームは、お客様に喜んでいただける可能性と実装コストに基づいて、各取り組みをランク付けします。その後、喜ばれる可能性が高くコストが低いと評価された機能に優先順位をつけます。
狩野モデルに近いですが、リターンとコストの構成要素に加重スコアを付けたうえでチームで投票する方法が加重スコアリングになります。
例えば短期売上増加に40%、解約率削減に30%など要素と加重するポイントを割り当てた上でチームで投票します。

いづれもチームで共通の目線でスコアを付けることが出来るため、チームビルディングには役立ちますがインパクトがどれくらい見込めるのか?がチームの直感に依存するのがデメリットです。
そこで筆者的にはプロダクトのユーザーをグループ分けするABC分析を行うことをオススメします。

ABC分析とは

ABC分析(パレート分析)とは、パレートの法則に基づいた分析フレームワークで、売上高・コスト・在庫などの指標を大きい順にランク付けし、優先度を決めて管理するためのものになります。。ABC分析は別名「重点分析」とも呼ばれ、重要度の高いものからA、B、Cに分類し管理する。もともとは在庫管理で行われていた分析方法だが、やがて品質管理、得意先管理などにも取り入れられるようになりました。

ABC分析のやり方

ABC分析のやり方は以下の通りです。全体の合計を集計した上で、それぞれの要素が何%を占めるかを計算します。

  1. 分析する対象を決める(商品や顧客など)
  2. 対象の売上高(または利益、在庫数など)を集計する
  3. 対象を売上高の高い順に並び替える
  4. 売上高の累積比率を計算する
  5. 例です
  6. Aカテゴリー:累積比率が上位20%の対象
  7. Bカテゴリー:累積比率が上位50%から20%の対象
  8. Cカテゴリー:累積比率が50%以下の対象
  9. ABC分析に基づいて施策の優先度を設定する

ABC分析の具体例

飲食店レストランをイメージするとわかりやすいと思います。
日々提供されている商品の売上高が大きい順に並び替えると人気メニューと不人気なメニューがありますよね、全てのメニューを同じように在庫を抱えたりしてしまうと人気メニューが売り切れになってしまったり、不人気のメニューの在庫が無くなってしまいます。

自分たちが利用しているプロダクトをABC分析する

ABC分析を使って、プロダクトの全体像をABC分析をします。それは得られる売上でカットしても良いですし、SNSサービスであれば投稿が多い属性で分けても良いです。
企画・施策の優先度を決めるに当たり、今回の施策がABC分析のどこに当てはまるものなのか?が明確になれば施策のインパクトを見積もることができます。
ABC分析は商品のような単体でなく、カテゴリー・属性でも応用が効くため、自分たちが運用しているプロダクトにあったものを選んでみてください。