元エンジニアPMのプロダクトマネージャーお役立ち情報

スタートアップから大規模プロダクトまで担当している元エンジニアの筆者が、事業開発・プロダクトマネジメントに役立つ情報を発信します

【書評】NETFLIXの最強人事戦略の本質は、情報のオープン化と6ヶ月先を見据えること

こんにちは。@ikuo00ukです。

今回は、2018年に発売され話題になった元NETFLIX最高人事責任者のパティ・マッコードが書いた「NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く」のレビューです。人事論ですが、チームをどうやって作っていくべきか?企業文化をどう作っていくか描かれており、参考になりました。

 

Netflixの企業文化や社員の行動規範を定めたカルチャーガイドが公開されており、FacebookのCOOのシェリル・サンドバーグが「シリコンバレーから生まれた最高の文書」と評価したカルチャーブックを基に翻訳された本です

 

いくつかポイントはあるのですが、読むタイミングや自分が置かれている境遇によって刺さる情報が変わってきそうな一冊だと思っています。

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

 

 

NETFLIXの最強人事戦略では、8章に分かれており、前半が人材のモチベーションを引き起こすためには何が必要か?チームにおいて事業を最大化させるための環境を作るには何が必要か?が書かれており、後半は人材の獲得の考え方、報酬・解雇と特に人事の方向けの内容になっております。

読了時間  2時間程度

読みやすさ ★★★★★

おすすめ度 ★★★★

おすすめ読者 人事 経営者 部長/チームリーダー

比較的時間をかけなくても読める一冊です。 実際にNETFLIXであったエピソードを交え要点を説明してくれています。

 

ポイント1
なぜこの事業をやるのか?取組むのか?は従業員全てが把握すべき(情報のオープン化)

意外と実際の現場で出来ておらず、大事なことがこのこと。この本では働く人の最大のモチベーションは給料でも、環境でも無く、成功に貢献することが最大のモチベーション。自分がこの課題を解決する為に取り組んでいる、貢献していることが働く上で大切。じゃあこの成功に貢献するためには何が必要か?というと、

情報が全てオープンになっており、自分が取り組んでいる事業の最終目標を全員が理解する。分からないことや疑問は経営層にでもすぐに質問できフィードバックも直接伝える環境。さらに自分が置かれているチームの課題の問題だけでなく、会社としての課題・競争環境をきちんと把握すること。

マネージャーの仕事は、チーム全員が情報を理解し期限内に課題をやりきること。
情報を特定のメンバーだけで隠したり、向かうべき目標を濁して伝えない。事業目標を理解するためにも、議論を活発に行い誰でも質問できる場を作っていくこと。

 

ポイント2
チームビルディングは、6ヶ月先を見据えて考える

これは面白いなと思ったのですが、NETFLIXは無駄な習慣がとても嫌い。データを集めるだけの人事考課であったり、承認のフロー、経費規定、旅費規定、そして年間の業績予想は、どんどん廃止していったそうです。これが自由と責任の文化。

特に年間の業績予想や予算って、上手く行くことが無いじゃないですか。だいたいがずれるのに、予想を立てるのはものすごく時間がかかる。なので見通ししやすい四半期、最大でも6ヶ月先の予想だけに絞ると。

チームメンバーを採用・解雇していく時のキーポイントは、「6ヶ月先に事業がどうなっているか、会社がどうなっているかを常に予想し、それに必要になる人材を獲得すること

6ヶ月先だと、事業の数字はXX%伸びていて、こういった機能が必要になりそうだ。じゃあその機能は今のメンバーだけで対応できるのか?その時にこの人のポジションは必要になるのか?を常にマネージャーは考えていくべきだということです。解雇に関しての考え方はジョブ型雇用らしさがでていますが、半年先を考えるのは大事だなと。

もうすぐ4月ですが、10月のことを考えて動けていますでしょうか?

 

時間もそんなにかからず読めて、参考になることが多い「NETFLIXの最強人事戦略」、是非手にとってみてはいかがでしょうか?