こんにちは。@ikuo00ukです。
今回はtwitterで見かけて、購入したのですが久々にアタリと感じている「Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術」のレビューです。これは全ての新規事業に携わる人やプロダクトマネージャーにおすすめしたい一冊です。元々はアルのけんすうさんがおすすめしているのを見て購入しました。
Amazonで買って読み始めているけど、久々にアタリな本な気がしている。新事業にどう向き合うべきか納得が多い。
— Ikuo Hirakawa / PDM (@ikuo00uk) 2020年3月15日
あと地味に紙質が良い。https://t.co/woqQzzrtRZ https://t.co/jsCrYvbKfi
Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術
NO FLOPは、大きく3つの章立てになっており、どの章も豊富な事例・失敗談などを交えてわかりやすく説明してくれます。
- 第一章では、新規事業はなぜ失敗するのか?その原因はなにか?市場で成功するアイデアとはなにか?
- 第二章では、失敗を防ぐための曖昧な仮説からの脱却、xyz仮説に、仮説をどう検証するか?(プレトタイピング)
- 第三章では、成功をより近づけるための戦術とはなにか?
ちなみに、著者のアルベルト・サヴォイアは初期Googleのエンジニアでありスタンフォードで新規事業の講師をやっている方です。とても刺激的な内容。特にリーンスタートアップや、INSPIREDなど新規事業に関する本を読んだ方であればより具体的に内容が入ってくるかと思います。
読了時間 3時間程度
読みやすさ ★★★★おすすめ度 ★★★★★
おすすめ読者 プロダクトマネージャー スタートアップ 起業家
起業家、社内の新規事業担当の方には特におすすめしたい。
要約
第一章:顧客が欲しい物を作っていない
まず「Flop」とは英語で大失敗という意味。著者のアルベルトさんいわく「新製品の失敗(Failure)の原因は、市場参入(Launch)か機能(Operations)、またはコンセプト(Premise)である」と定義。
市場参入は、マーケティングや販売、流通に問題が有り対象市場に浸透しなかったこと
機能は、ユーザーが求めている機能やデザイン、体験に問題があること
コンセプトは、そもそも求めているものではなかったこと
ほとんど(90%)の新製品は失敗するのですが、どんなに正しく作り、マーケティングを行って販売したとしても失敗します。それはほとんどがコンセプトのミス。いわゆる「顧客が望んでいないモノを作っていた」からですね。
じゃあ顧客が望んでいる事業かどうかはどう図るか?多くの人が時間をかけて市場調査や、リサーチを行いますがそもそもこの市場調査が間違っているわけです。想像の世界でしか調査していない。アイデアは湾曲して伝わるし、身銭を切らない意見は役に立たない、誰かが作ったデータは自分の事業には当てはまらない。集まった意見にバイアスがかかり好意的な意見ばかり集めがち。
第二章:あいまいな仮説を排除し、正しいデータを集める
そこで大事になってくるのが、自分たちにとってのデータを正しく集めること。それにはあいまいな仮説を排除し「XのうちYはZする」XYZ仮説を適切に作り検証することが大事。この粒度を適切に作り検証できるかが肝です。
この仮説を検証するにあたって「プレトタイピング」が効いてきます。具体な手法は是非本にとって読んでほしいですが、「オズの魔法使い」と呼ばれる見た目は完成しているがアナログに対応する手法などが挙げられます。
アマゾンに買収された靴通販の「Zappos」というサービスでは、当初は注文が来たときには創業者が自ら商品を買いに行って発送を行い、サービスの需要を確かめた後に本格的なシステムを構築したというMVPの事例がありますが、MVPの概念に近いものがプレとタイピングです。
第三章:ローカルに、48時間に仮説を検証する
顧客が欲しいコンセプトを、XYZ仮説を通じてプレトタイピングで解決し、成功確率を高めていきますが、具体的に仮説検証のサイクルをどう高速化し検証のスピードをあげるかが書かれています。
広すぎる範囲ではなく、ローカル(例えば会社の1部署)で、48時間以内に仮説検証を終える。とにかく時間とお金をかけずに検証していく大事さです。
終わりに
「Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術」で学びが深いのはXYZ仮説と、どうデータを検証するか?読むと確かにそうだよなと思うのですが、自分を振り返ると結構曖昧な仮説のままになっているものが、多かったなと。久しぶりに良い本に出会えたので、是非手にとってみてください!