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「ARPA・ARPU・ARPPU」の違いとは?Netflixを使って分かりやすく説明する

今回はKPI指標としてよく使われる「ARPA」「ARPU」「ARPPU」の違いについてできる限りわかり易く説明していこうと思います。

もしあなたがサブスクリプションサービスやSaaSのプロダクトマネージャーであれば、「アカウント数×ARPA」や「ユーザー数×ARPU」のKPIや、ARPUではなくARPPUといった表記を目にすることも多いのではないでしょうか。どれも似ているため間違えやすい単語ですが、捉え方を間違えると誤った見方をしてしまうため注意が必要です。

今回はNetflixを使って、APRA・ARPU・ARPPUを説明していこうと思います。

Netflixとは

知らない方も少ないとは思いますが、Netflixは、月額会費を支払うことで、映画やテレビ番組などのコンテンツを提供しているサブスクリプションサービスです。

Netflixは1つのアカウントに対して、複数のユーザーに共有することができます。例えば家族や友人などが1つの有料アカウントに紐付いている形をイメージしてください。

www.netflix.com

NetflixのKPI「ARPU」

NetflixのKPIを調べると有料会員数やARPUという単語がちらほら出てきます。

これはStatista※という統計データを分析しているプラットフォームが紹介しているNetflixの2016年から2022年のARPUの表になります。8.61$から6年かけて136%成長した11.76$になっていることがわかります。

※Statistiaは、統計データを収集、分析、提供するオンラインのプラットフォームです。世界中の様々な業界や分野に関するデータを収集しており、ビジネス、マーケティング、科学、教育などの分野で利用されています。

www.statista.com

 

ARPA・ARPU・ARPPUの違い

ARPAとARPU、ARPPUの違いは分母が何か?になります。

ARPUとは?

ARPU(Average Revenue Per User)は、1ユーザーあたりの平均収益を表す指標です。 ARPAとの違いは、アカウント数ではなくユーザー数で収益を割った値になる点です。 例えば、ある月に1,000万円の総収益があった場合、20,000ユーザーが存在するとすると、ARPUは500円になります。

 

ARPUはユーザー数というところがポイントです。Netflixにいる全ユーザーが対象となるため、さきほどの11.76$は総収益から全ユーザーを割った金額になります。

ARPAとは?

ARPA(Average Revenue Per Account)は、1アカウントあたりの平均収益を表す指標です。 具体的には、ある期間内の総収益をアカウント数で割った値になります。 例えば、ある月に1000万円の総収益があった場合、10000アカウントが存在するとすると、ARPAは1000円になります。

 

冒頭Netflixでは1アカウントに対して複数ユーザーが紐づくと話しました。ARPAは開示されていませんが、総収益をアカウントで割った形になります。
例えば、家族で共有するアカウントがある場合、1つのアカウントに複数のユーザーが登録されることがあります。ARPUはユーザー数で収益を割った値を示していますが、ARPAはアカウント数で割った値を示しているのが大きな違いです。

 

ARPAは特性上SaaSビジネスでよく使われる指標のため、SaaSサービスの決算資料などでよく見かけます。マネーフォワードの例ですがARPAが1.5倍に上がったとの発表もありました。

マネフォ通期決算は再び上振れ 45%成長のARR163億円に 次の成長戦略は金融サービス(1/2 ページ) - ITmedia NEWS

 

ARPPUとは?

ARPPU(Average Revenue Per Paying User)は、有料会員から得られる平均収益を表す指標です。 具体的には、ある期間内の総収益を有料会員数で割った値になります。 例えば、ある月に1000万円の総収益があった場合、8000人が有料会員であったとすると、ARPPUは1250円になります。

ARPPUは母数が有料会員というところがポイントです。先程のARPUやARPAは無料ユーザーも含めていますが、ARPPUは有料会員のみになります。

Netflixは現在無料トライアルなどで閲覧することができないビジネスのため、実質ARPUとARPPUは同じになります。無料トライアルがあれば無料・有料ユーザーに差が生まれるためARPUとARPPUは変わってきますね。

 

ARPPUはコンテンツ系サービスや、ゲームビジネスなど無料ユーザーと有料ユーザーが混合するケースのときによく使われます。
例えばnote社が上場した際に下記のような発表がありました。

8月末時点のnoteのMAU(月間アクティブユーザー数)は4,066万人、累計会員登録者数は550万人、累計ユニーククリエイター数は103万、ARPPU(各四半期の購読者一人当たりの平均月間購入額)は2,650円。

note、東証グロース市場に上場 - Impress Watch

推定ですがARPUで計算してしまうと一人あたりの平均月間購入額が少なく見えますし、プロダクトとしても適切ではないと思うのでこのような開示をしたのかなと思っています。

 

以上、ARPA・ARPU・ARPPUの違いについて説明しました。様々なビジネス資料などで見かけるので覚えておくとスムーズに理解が進むと思います。